
この題名を見てどう思いますか?
一日一回のオムツ交換では不十分だ、お尻はかぶれる可能性もあるし、尿路感染症のリスクも高まる…
何よりオムツを着用している本人は気持ち悪いだろうし不衛生だと思われる方もいるかもしれません。
しかしながら、これでも良しとするお宅もあるのです。
私たちは在宅生活を支えるため、ご自宅を訪問します。
週一回訪問することもあれば、週二回、毎日訪問することもあります。
週一回訪問する場合は、毎日継続して行う処置がない、あったとしても自立して行うことが出来ている、
また家族の介護がしっかりできているという場合。
反対に介護度はそれほど高くなくて、毎日の処置が必要ない場合でも家族の介護能力が低い、おむつ交換が出来ず衛生環境を整えることが出来ないなどで、短期間集中的に毎日訪問しました。
そしてだんだんとヘルパーさんにオムツ交換など移行していくという場合があります。
あるお宅では、初回訪問したとき、おむつもつけていない、畳に垂れ流しのご老人がいました。
トイレにも這って行っていたのです。
しかし間に合わないこともあるし、服を着替えるという行為が自分ではできなかったのです。
絵にかいたような8050家族であり、長男が介護をしていましたが、トイレに行っているから大丈夫だろうとあまり気を付けてみていなかった様子でした。
そしていつも濡れた洋服で過ごしている老人がいるとケアマネさんから情報をもらい訪問しました。
初回訪問から5年以上訪問していますが、だんだんとADLは低下し、最近はトイレに行くことが出来なくなりました。
そしてやっとこの一年でオムツをつけることが出来るようになったのです。
ただそのオムツ交換は家族がせず、訪問看護と訪問介護で担当しています。
当訪問看護ステーションに新しく入ってきた看護師は、その状況を聞いて一日に一回?全然できてないじゃん!と思うようです。
しかし以前から利用者とその家族環境を知っている私たちは、一日一回でも評価できるととらえています。
もしもこれが度々尿路感染を起こす、皮膚トラブルがあるといった場合は、訪問回数を増やしオムツ交換できるよう配慮が必要でしょう。
しかし訪問回数を増やす場合は、それだけ費用もかかるため、経済状況も考慮しなくてはいけません。
しかし現在は尿取りパット、テープ式オムツ、そして床には安心シートを使用して、衣類が濡れることもありますが、生活環境は比較的保たれている状況であり、尿路感染も起こしていないので私たちは良しとしています。
このように家族背景や生活環境を全く知らなければ、利用者を見てびっくりすることも多いです。しかしそれは簡単に良いか悪いか判断することはできません。
また自宅という場所に入る私たちは、簡単に生活環境を変えることは難しいです。まずは信頼関係を作り、少しずつ変えていく、決して焦らないということが重要だととらえています。