
便利グッズの一つ、スマホの対応
今の私たちはスマホを持っているのは当たり前。そのスマホが便利であると十分理解はしているのですが、時々困るなあと思うことがあります。その一つが、看護師が処置中に家族に動画をとられることです。
私たちは、スマホを主に連絡手段として使用していますが、時には書類を写真に収めたり、褥瘡部分を写真に残したりすることもあります。そのため仕事中でも欠かせません。
また家族にこんなものを用意してほしいとお願いするときに、スマホで検索をして具体的な画像を見せることもあります。
こうすると言葉で説明するよりも視覚的に理解することができるので、介護者にとってもわかりやすいのです。
さらにまだ訪問看護になれていないお宅、オムツ交換などの介護が必要になったばかりのお宅では、
保清やオムツ交換の時の必要物品を私たちが用意。それを写真にとり、コピーして渡すこともあります。
必要物品がわかれば、家族も介護がしやすくなりますし、あまり直接的にかかわることがなかった介護者が見たときにもわかりやすいのです。私たちも共通した処置手順を作ることができ、他のヘルパーさんも含め共通した処置が行うことができるようになるメリットがあります。
このようにスマホは便利に使いこなせば、介護の現場でも役立ちます。ただ最近困ったなあと思うこともあるので、ご紹介しましょう。ごく一部ではありますが、何例か経験しており、私たちもどのように対応するべきなのかいまだ模索中です。
スマホで動画を撮り続ける家族
私たちは、まだ介護になれていないお宅、訪問看護を始めたばかりのお宅に行ったとき、さまざま説明をします。
事務的なことや制度的なことを説明する時には話を聞いているだけですが、いざ処置を始めると動画を取り始める家族がいるのです。
家族にとっては、一語一句漏らさず説明を聞いて理解したいと思うのかもしれません。
それは私たちも理解できます。ただオムツ交換や保清となると、とてもプライバシーの配慮が必要なことです。
いくら家族といっても利用者本人はいい気がしません。
私たちもご自宅ですし、利用者が拒否しない場合は撮らないでくださいとは言えません。
その時はプライバシーに配慮して保清をすることに集中します。
しかし、利用者だけでなく、私たち看護師も監視、記録されているような気分で決して気持ちよいものではありませんね。
私たちも、利用者のお誕生日にはスマホで写真を撮ったり、施設に入ることが決まった時には思い出として写真に残しプレゼントすることもあります。
ただその場合は、信頼関係と同意が出来ていることが前提です。
利用者と介護者が高齢だから、今度は子ども世代が介護を担わないといけないから、一語一句説明を漏らさず聞きたいからという理由は理解できるのですが、なかなかスマホのカメラを無言で向けられることにはいい気持ちがしません。
スマホが普及してきたからこそ、起こりうる問題。
家族が自宅内で動画を撮影するのだから問題はないのかもしれませんが、プライバシーの問題、倫理的な問題もかかわってくるので、これからの課題の一つだとも思っています。