訪問看護の学び・研修

看護師は、病院や診療所、クリニックだけではなく、企業や行政、また教育の場でも活躍していますね。
そんな中、私が訪問看護師になり、看護師はこんなところでも活躍することが出来るのかと思った職業があるのでご紹介します。

それが、介護タクシーです。
訪問看護師をしていると、呼吸器装着の利用者移動で介護タクシー運転手とかかわることがあるのです。

そもそも在宅で呼吸器を使用しているとなかなか外出はできないし、そのために医師の往診を受けているので外出の必要性もないのでは?
緊急時には救急車対応になるし…と思われる方もいるでしょう。

確かに普段は外出の必要性は全くありません。
しかしやはり緊急ではなく、予約受診して病院でしかできないこともあるのです。それが胃ろう交換と検査なのです。

呼吸器をつけた状態で安定して在宅生活を送っている利用者は意外にも多く、私は訪問看護師として働き始めたときにびっくりしました。
その場合、ほとんどの人が胃ろうを造設しています。この胃ろうは定期的な交換が必要です。

もちろん、胃ろうのタイプによっては、在宅診療の際に医師が自宅で交換することもあります。

しかし交換のため、半年に一回、必ず病院を受診することを指示する医師もいるのです。
主な受診目的な胃ろう交換ですが、それに伴い内視鏡検査やCTなど普段在宅では難しい検査を合わせて行うことが出来るというメリットがあるからなのです。
その場合の受診は、緊急性を伴わない予約受診になりますね。そのため事前に介護タクシーを手配して受診をする必要があるのです。

呼吸器をつけた利用者が利用できる介護タクシーはそれほど多くはありません。
移動時には、家族、そして看護師、呼吸器のメーカー、場合によっては医師も同行しますが、介護タクシー内ではやはり運転手さんが頼みの綱になるため、ある程度の知識と技術、配慮が要求されます。

そこで活躍しているのが、元看護師のドライバーなのです。
ベットから車椅子、スロープを降りるなどはみんなで協力して患者を移動させます。もちろん移動だけではなく、常に利用者の状態や呼吸器等にも注意を払わなくてはいけないため、多くの人の目が必要です。

ドライバーは移動時は最大限の注意を払いつつ、昇降や送迎を行います。
もちろん天候が悪いときもありますが、利用者や大切な機材を濡らすこともなく完璧にこなしてくれるそのプロ意識はすごいなあと感心します。

これまで仕事上さまざまな介護タクシーのドライバーに出会いましたが、医療的な知識があるのとないのでは全く対応が違います。
元看護師という経験があるからこそ、きめ細かく配慮できる、また接することが出来るドライバーになることができるのですね。