訪問看護の学び・研修

私たちは、毎日利用者さんのお宅を訪問しますが、一人の訪問看護師が担当する利用者を毎日パズルのように割り当てて一日5~6件程度訪問できるように調整しています。
前後の移動時間を含めると介護保険30分未満の人が連続しても、午前中3~4件の訪問になることが多いです。

移動距離を考え、時間を無駄にせず効率よく訪問するには、安全面からも重要なポイントです。
時間的な余裕がなくなると、急がなければという焦りが運転に影響をすることもあるからです。
また訪問エリア、訪問件数などを考えるのにはもう一つ理由があります。それは「行ってなんぼの世界」だから。

訪問看護ステーションの中には、採算のとれているところもありますが、なかなか経営が厳しいというところも少なくありません。
経営面を考慮すると、やはり新規利用者の獲得と訪問件数をこなすことが重要なのです。

訪問枠が開いているのにもったいない!

訪問看護では、新規利用者のサービス開始や看取りや入院でサービス終了となることもあり、忙しいときもあれば比較的余裕があることもあります。
すると、どうしても訪問の合間に空きが出てきてしまうことも。

ずっと訪問を続けているほかの利用者の時間変更をするわけにもいきません。
また利用者が一時的に入院をしているけれど、治療が終われば在宅に戻ると予測できる場合、これまでの訪問枠を確保しておかなければいけない場合もあります。
この訪問枠を開けておくことが非常にもったいないと感じますが、どのように私たちは仕事に生かしているのでしょうか。

算定はできないけれど、有効的な時間の使い方もある

どうしても埋められない訪問枠はどのように活用することが出来るでしょうか。
もちろん普段手が回らなくてできないカルテ整理や事務仕事を片付けてしまうこともあります。

また算定はできませんが、受診の同行に行くこともあります。普段は書面で指示書をお願いすることも多いですが、指示書を依頼するタイミングで利用者の受診があれば、同行して医師に直接状況を聞くこともあります。またその際に連携室などに立ち寄らせてもらうことも。

特に大きな病院では、相談員の顔ぶれが変わっていることもあります。
また利用者担当の相談員が交代し、直接会えるタイミングがなく電話だけのかかわりになっていたということもあります。
そのようなときに直接話をすることが出来ると、次回相談や依頼があった時によりスムーズに連絡が出来るようになるのです。

空いた時間を利用してステーション内でカンファレンスをすることもあります

スタッフ同士申し送りで毎日顔を合わせるけれど、実は訪問のすれ違いであまり情報交換できていなかったということも。
そのため、時間があるときに、ステーション内でケースカンファレンスをすることが貴重な時間となります。

さらに、自分が参加した研修の報告をしたり、感染対策、特にPPF(個人防護具)の着脱方法など動画を見ながら再確認することもあります。
みんなでいろいろな情報を共有、再確認することは、新しい知識も得られますし、毎日訪問を繰り返す業務の中で良い刺激にもなります。

以上のように、訪問看護では実際の訪問以外でもいろいろな重要な業務があることがわかります。
日々の訪問を充実させるため、私たちも限られた時間を有効的に利用して、努力を積み重ねていかなくてはいけないと実感しています。