訪問看護の学び・研修

訪問看護をしていると、研修などでいろいろな事業所の人に会う機会があります。
そんな中で一番印象に残っている言葉。それは、「訪問看護には神様がいる」とある事業所の所長が言った言葉です。

どういう意味かなと思いますよね。これは、忙しくてもうだめだ!仕事がうまく回らないというときでも訪問看護の神様がなんとかしてくれるというのです。
もう少し具体的に説明しましょう。

例えば、私たちのステーションでは、利用者様の名前のカードを作り、それを半月ごとに大きなホワイトボードのカレンダーに貼っていきます。
受け持ち利用者や訪問ルートなどを考えながら、まるでパズルを組み合わせるように、その日の訪問担当を決めていくのです。
利用者と看護師の相性を考慮しなくてはいけないため、とても時間がかかる作業です。

どこのステーションもこの作業には頭を悩ますそうです。特に子育て中の看護師の非常勤が多く、学校行事が重なるというときには…。
この日は休みの看護師が多い、でも訪問件数は多いから、勤務の看護師フル回転で仕事をしなければいけないというときもあります。
更に新規依頼で病院訪問をしたり、急な担当者会議で突発的な訪問が入ることもあります。

こうなると、もう定期の訪問時間を変更しなければ、全部をこなすのは難しい場合もあります。
しかし運よくもうどうにもならないと思ったときに、急に今日はお休みしたいといった利用者からの連絡が来ることもあります。
それにより、上手く訪問のパズルがはまるときがあるのです。

もちろんそんな時ばかりではありませんが、困った時に運よく問題解決することができた時、訪問看護の神様がいると表現していた所長がいたのですね。

確かに、1週間先、2週間先の予定を作るとき、現段階では全部時間通りに予定を組めずどうしようもないというときもあります。
そんな時には、もうちょっと待ってみようとそのまま少し様子を見ることもあります。
それは入院しているが家に帰りたいからと新規訪問希望があっても、体調の変化によって、やはり在宅に変えるのは無理だとキャンセルになることもあるからです。

それでもどうしようもない時にはどうするか?
基本的に訪問時間は、ケアマネージャーによって計画立てられた提供票に基づきますが、訪問期間が長く、信頼関係が出来ている利用者様はもちろん事情を話して訪問時間変更をすることは可能です。
そして何とかぎりぎりの訪問看護師で仕事をこなすということも少なくありません。

ただそういった信頼関係や本当に運が見方をしてくれたとしか考えられない瞬間が訪問看護にはあり、
「神様が味方をしてくれた、神様が下りてきてくれた!」
なんて表現する所長もいるのです。

私にとっても訪問看護って、やっぱり面白いと感じる瞬間です。