訪問看護の就職面接・転職面接

はじめに訪問看護ステーションに入職してすぐ、所長からこんな質問がありました。
「どれくらいの時間、正座出来る?訪問看護では正座をする機会が多いから、覚悟してね」と。
この質問を受けて、私は戸惑いました。正座を限界まで試したこともないし、自分でどれくらい出来るかわからなかったからです。

訪問看護を始めてわかったこと

訪問を始めてわかったのですが、私自身意外にも正座が苦ではなく、長い時間正座をすることが出来ました。もしかすると、学生時代の部活で正座をする機会が多かったのかもしれません。その点では、本当によかったと思います。

訪問看護で正座が思わぬトラブルを招く?

たかが正座、されど正座。トラブルを招くこともあるので注意が必要です。
以前には正座から立ち上がった拍子に足がしびれてその場に座り込んで動けなくなった職員もいたと聞いたこともあります。
また倒れそうになり、とっさにテレビをつかんだために倒してしまい、弁償をする羽目になった話も聞きました。

実際どれくらい正座をしているの?
利用者宅を訪問したときには、私たちは基本的には正座でお話を聞きます。

ただじっと話を聞くだけではありません。
バイタルサインを測定したり、薬のカレンダーをチェックしたり。

ずっと正座ではなく、間に動くことも多いです。

ただ足がしびれるまでに立ち上がり、処置などに移ることが出来ればいいのですが、問題は話が長くなってしまったときです。
特に利用者の悩みや相談を受けている時には、なかなか正座を崩すことは出来ないですから。

また訪問して介護ベットを使用している場合は私たちは高さを調整して、介護しやすい状況を作り出すこともできるのですが、
布団を使用している場合は、やはり布団の横に正座で座ってお話を聞く、処置をするときには丸腰で行うということも少なくありません。

利用者からは、「足を楽にしてください」と声をかけられることもありますが、あくまで訪問している立場なので、簡単に足は崩しません。
また私たちの制服はジャージです。足を崩してしまうと、すぐにわかります。

それが高齢者にお行儀が悪いなと印象を与えることもありますから。

訪問看護の同行で正座になれない学生が訪問に同行するとき

私たちのステーションでは学生の実習を受け入れています。
どんな学生が来るのか、毎回楽しみでもあります。事前に学生情報がくるのですが、その中にびっくりしたものもあります。

それは「正座が出来るかどうか」という質問でした。

また正座をすることは出来るけれど長時間は苦手で出来ないという人が多かったのです。
出来ないという学生の理由は、学生時代の膝のケガといったものもあります。そのため、私たちも訪問先で正座を無理強いすることもできません。

実習先では、正座が出来ないことを了承してもらい体育座り(三角座り)で対応します。
少し最近の学生に違和感を抱きながらも、そのような配慮も必要なのかと改めてジェネレーションギャップを感じる瞬間でもあります。

まとめ

訪問看護ステーションに入って、これほど正座をする機会が多いとは思いませんでした。
もしも興味がある人は、正座にチャレンジしてみてください。

正座をするときに、足首と踵の上に自分のお尻を乗せ体重をかけてしまうと、足がしびれやすいのです。
足首の間隔をあけて円を描くように両足の親指を合わせる、そして円の中に自分のお尻を置くようにすると、足首や踵への負担が軽くなるのでしびれを軽減させることが出来ます。

しかし万が一足がしびれてしまったら?
その時には、さりげなく跪座の姿勢を取るとよいでしょう。
これは正座をしたまま、つま先だけを立てる姿勢のことです。
限界までしびれてしまうと、なかなかスムーズに跪座の姿勢をとることもできないので、自分でつま先立ちできる感覚があるときに適度に行うといいでしょう。