
障がい児を持つママにとって、不安の一つ。
それが災害です。
災害というのはいつ起こるかわかりません。
そのため、呼吸器や吸引、栄養に関する備品を常に自宅においておく必要があります。
またアルコール消毒やおむつやおしりふき、など生活に欠かせないものも多めに保管しておくことが基本です。
更に、病院や学校、行政や訪問看護、ヘルパーなどと緊急時連絡が取れるように対策をとっておくことも大切ですね。
ここまで書いたことは本当に基本的なことであり、障がい児を持つママも気をつけていることでしょう。
私はある障がい児をもつママと研修で一緒になりました。
そのママから、話を聞いて災害時本当に大切なことは何かを知ったような気がします。
ある時、そのママの自宅周辺が水害にあいました。
急激な水の上昇を目の当たりにしてパニックになったといいます。
とにかく逃げなければと思って、家族総出で児を安全な場所まで運び事なきを得たということでした。
そのあとの生活はもちろん大変だったそうですが、
一番教訓として感じたのは災害前の対策が足りなかったということです。
命と生活に必要なものはそろっていました。
しかし足りなかったのはここに障がい児がいるという周りへの情報提供だったといいます。
実は災害が起こった時、ご近所さんで誰も声をかけてくる人も見に来る人もいなかったのです。
同じ場所にもう5年も住んでいながら、ここに障がい児がいるということを誰も気にしていなかったし、ママも周りには伝えていなかったから、知らない人も多かったのかもしれません。
訪問看護の車などもあるので、何かがあるとは知っているけれど、深入りすることを避けていたというご近所さんもいたかもしれません。
ママの反省点としては、ここに障がい児が住んでいますという情報をご近所さんに知らせておけばよかったということでした。
もちろん災害時は誰もが逃げるのに必死だし、助けがこないことも理解できます。
自分たちのことは自分たちでという責任感の強いママだったので、ご近所に助けを求めることもなかったかもしれません。
しかしながら、大丈夫?の一言があったら、どんなに心強かったか。
そしてこの先同じことがあったら、やっぱりご近所さんに障がい児が住んでいますということを少しアピールしておいた方がよかったな、もっと地域と溶け込んでいたら良かったなというのが大きな学びになったそうです。
障がい児を在宅でみるということは、地域で生活をするということ。
呼吸器や吸引が必要で、感染にも注意しなければと思うと、外に出ることに躊躇してしまうでしょう。
また日々児のお世話のため自宅で過ごす時間が多いので、外に出ていく時間もないかもしれません。
しかし今住んでいる地域にいる以上、もう少しご近所さんとかかわりを持っておく必要があるとよかったでしょう。
たとえ児を直接外に出すことはなくても、ご近所さんとはコミュニケーションをとれるような顔見知りにはなっておく、また地域の育児サークルに参加するなども方法も考えられます。
災害は本当にいつ起こるかわかりません。生活の基盤となる在宅、そして地域で出来ること。それがやはりつながりを作っておくことだと思います。