
訪問看護師になって4年目に入りました。そして本当に訪問看護師になって良かったと思うことの一つあります。それは仕事が終わった後に、後ろ髪をひかれないということです。後ろ髪をひかれる…ってどんなこと?と思われるかもしれません。実は私は病棟で勤務している時には、常にこのことに悩まされていたような気がするのです。
病棟で勤務していたころの私との違い
病棟勤務では交代制で看護師が患者のケアを行います。
勤務交代の時には申し送りをして、勤務が終わると帰宅することが出来ますね。
しかし私は病棟で勤務しているときには、申し送りをして帰宅した後も病棟のことを常に考えることが多かったのです。
例えば、
あれは申し送りしたかしら?あの患者の検査結果出たかしら?
容体は大丈夫かなと常に気にかかることがありました。
そのため、仕事が終わっても、後ろ髪をずっとひかれているような気分でもあり、精神的に仕事から離れることが出来ないという状態が、一つのストレスにもなっていたのです。
訪問看護師になった私はどう感じるようになったか
しかし訪問看護師になると、後ろ髪をひかれることがなくなりました。
なぜでしょうか。
私たちは30分、1時間と決まった時間で訪問し、必要なケアを行います。
その間は、ナースコールに邪魔をされることもなく、しっかりと利用者さんに向き合うことが出来る時間です。
そして時間内で完結することが出来るのです。利用者さんの満足度も重要ですが、精いっぱいやれば私たちの満足度も高く、仕事の達成感が高いのです。
病棟にいる時には、そうはいきませんでした。
大部屋であれば、他の患者さんもいるので、一人の患者さんだけにじっくりかかわる時間をとるのは困難でした。
またケアを行っている最中もナースコールが鳴っている音が聞こえると、集中力が欠けてしまうこともありました。
そのため満足度、達成感が低く、仕事が終わっても気にかかることが多かったのではないかなと感じています。
もちろん在宅でも容体が悪い人がいれば、気にかかることもあります。
ただ家族がいる場合、何かあれば緊急で呼んでくれる体制もできているので、
私たち訪問看護師は家族に任せることが出来る安心感があるのです。
子育てをしながら常勤として働く現在、オンとオフをしっかり切り替えられるようになったので、
私は病棟看護師から訪問看護師になってよかったと思います。看護師のなかには、真面目で真剣に仕事や患者に向き合う人は多いです。
しかしその中で、オンとオフをうまく切り替え出来ない人は、いつも後ろ髪をひかれるような気がするということが多いと思います。
訪問看護という現場は、そのような人は仕事とプライベートの切り替えが苦手な人、仕事に対して責任感が強くまじめな人で仕事の後でもいろいろと考え込んでしまう人に向いているといえます。