訪問看護の小児対応

訪問看護師は通訳者?

私たちが訪問していると、家族の方やケアマネージャーに
「看護師さんはなんで○○さんの気持ちがわかるんですか?」と聞かれることがあります。

例えばこんなシチュエーション。
なんだか脈がいつもより早いというとき。
いつもかかわっていると、脈の速さが痛みでも気分不快でも暑さでもないというときには、「おしっこでもしたいのかな」と何となくわかるときがあります。

また表情を見ていると、何となく不快に感じているな、何か問題があるのかなとわかるときもあります。
もちろん長くかかわり、いつも利用者さんの状況を見ているからこそわかることも多いのですが。
反対に自分の予想が外れて、質問しっぱなしで利用者さんの言いたいことが結局わからなかったということもあるので、必ずわかるというものでもありません。

しかし、同居している家族やケアマネージャーから、「なんでわかるの?」と質問をされるのです。
もちろん同居家族で積極的に介護にかかわっている場合は、看護師よりもはるかに利用者さんの言いたいことがわかります。
しかし同居しているだけで、あまり介護に介入していない場合には、理解することが難しい場合があるのです。

コミュニケーション能力とフィジカルアセスメント

訪問看護師は、決まった曜日と時間に訪問し、ケアを実施します。
バイタルサインを測ったり、点滴をしたり、褥瘡の処置をしたり…。
その中で、いろいろな話をします。
発語がなく寝たきりの利用者さんに対しても声かけは必ず行います。
そうすると、少なからず反応が返ってくることもあるのですね。

例えば少し動かしてあげると体がほぐれつめたかった体が少し温まってくることも。
また訪問直後は、目を見開き顔を紅潮させ、どこか苦しいのかな?何か訴えたいのかなと思うこともありますが、ケアが終わり帰る間際には、頬が緩み表情が穏やかになっている、顔はほんのりピンクで気持ちがよさそうとさえ思うこともあります。

また末期癌で在宅看取りを希望されているお宅で、リンパドレナージを時間をかけてゆっくり行うときにも静かに家族には言えない利用者さんの本心を聞くこともあります。

短い時間ですが、濃い時間を過ごすことによって、何となく利用者さんの気持ちがわかることもあるのです。

また看護師は会話だけでコミュニケーションを図っているわけではないですよね。
コミュニケーション能力を最大限使って、あとは全身状態を見て判断しています。

そこでやっぱりいつも大切なのは、フィジカルアセスメントだと思うのです。

私自信も、コミュニケーション能力やフィジカルアセスメントが出来るかといえば、まだまだ自信はありません。

失敗もあります。
またほかの看護師の申し送りを聞きながら、利用者さんはそんな風に考えていたのか…そう読み取ればよかったのかとわかることも多いです。

そのため、この先も訪問看護師としてこの二つはさらに磨きをかけていかないといけないと日々感じています。