訪問看護ステーションでの全体ミーティング

在宅生活をサポートする訪問看護師にとって、医師や看護師、ケアマネや相談員などと連携をとることは必要不可欠です。
最近、ある利用者の主治医とのかかわりから、改めて連携の重要性を認識したのでご紹介します。

在宅看取り希望で退院となった利用者。退院後は、週1回の主治医の往診で在宅生活を支えていくことになりました。
私たちは連日訪問をしていましたが、往診の時にももちろん訪問し、状況報告と医師の指示を受けることになっていました。

そして初めての往診の日。これまでの医師だったら、利用者のカルテを持参し、必要な情報を記入、また処方などを記録して持ち帰るということが常でした。
しかも大抵の場合は、看護師と一緒に来ることが多かったです。

しかしながら、主治医は、たった一人でしかも何も持たず来たのです。
話をしていても特に症状を書き留めるわけではなく、定期処方はいつも通り出しますとのこと。
保湿剤や真菌薬など少しこちらが希望する軟膏を伝えても「わかった」の返事のみだったのです。

私たちは大丈夫かなあと心配しながらの初めての往診は終了となったのですが、やはり外来看護師から連絡がありました。
医師からの処方が出たけれど、これで良いかという確認だったのです。
お伝えした軟膏の処方抜けがあったため、また依頼しました。

それと同時に私たちにお願いがあると看護師から伝達がありました。
先生が往診したときの様子を書き留めて、医師が話した処方薬のことを記録してFAXしてほしいと。

私たちは初めて訪問看護指示書を受ける医師だったので、どのような感じで往診をするのか全く想像できていませんでした。
またその医師は忙しいから自分の空いた時間に往診に行くといったきり、いつの間にか病院から出かけてしまったため、病院の看護師も何も持たずに医師が出向いたとは知らずびっくりしたそうです。

せめてもの救いは、医師が今から行くからと利用者宅に連絡を入れていたこと。
そして利用者家族から私たちは連絡を受け、往診に立ち会うことが出来たのでした。

今度も続くであろう往診。お互いにスムーズに診察や処方を進めるためには、看護師同士が先に根回しをしておいて連携を図ることが重要だと再確認しました。
それ以来、その医師の往診専用記録表を作成し、私たちは往診に立ち会いました。
そして記録したことを病院にFAXするようになりました。

訪問看護師と病院の間の連携を図るというのはいつも心掛けていることですが、初めてかかわる場合には、お互いにどのような手順を踏んでいいのかわからないことが多いです。
特に大きな病院ほど、連携室やサポートセンター、相談員などを介さなければいけないことも多く、医師が外来診察日ではない、手術に入ってしまったということもあるため、直接話をすることは簡単ではありません。

スムーズな連携をとることは、利用者やその家族、そして何より私たちの安心にもつながります。
また今後の急変時にすぐに連携を図れるように、日ごろからの関係の構築と連携が重要であると再認識しました。