
今回は、現役の訪問看護師の人に訪問看護の魅力や看護師のキャリア形成について教えてもらいました。
高齢化に伴って、日本の医療の流れとして、
病院完結型医療から地域完結型医療へ移行してきています。
そのため、今以上に、病院とクリニックの連携は密になっていきますし
介護やリハビリ、地域と連携してチームサポートしていくようになり
それに伴い、看護師の役割も変化していくでしょう。
これまでは、看護師のキャリアとして
・管理職を目指す
・専門性を高めていく
という選択肢しかなく
ライフステージの変化によって、キャリアを積む事が難しいことも多かったですが、
現在は、個人のライフスタイルに合わせて働き方を選択できる時代になりました。
今後、自分のライフスタイルに合わせて、キャリア形成していきながら
好条件で働き続けるということも可能になったと言えます。
その選択肢の1つとして、訪問看護があります。
訪問看護を利用している患者は、高齢者だけでなく小児もいます。
疾患も1つではなく、複数の疾患を抱えている患者様がほとんどです。
個別性に合わせた援助をするためには、病態について知識をつけていくことが必要になります。
とは言え、在宅療養に移行できる落ち着いた状態の患者様がほとんどですので、勉強漬けになる事なく自分のペースで学んでいく事が可能です。
さらに実際に、訪問中に援助する内容自体は、基礎看護技術や日常生活援助が主です。
基本的な看護技術を最低限身につけていれば問題はありません。
ですが、ご自宅にあるものや場所で援助していくとなると
経験値がとても重要になります。
『患者様が楽な体勢を保持するためにはこんな工夫をして援助してみよう』
『このご家族が援助する場合だったら、こっちの方がいいかも』
といったアイディアは、これまで経験してきた事を生かせる場面です。
新人ナースには思いつかない事であり、これまでのキャリアが物をいう部分であります。
患者様やその御家族に直接、援助やアドバイスするので反応がわかりやすく見られる部分なので喜び、やり甲斐を感じられます。
これまでの知識、技術キャリアを生かしながら働けますし、
今後、地域完結型へ移行していく流れを考えるとキャリアを損なうということもない
働き方であると言えます。
さらに、ライフワークバランスの面では残業や勉強会などの開催も少ないため
フルタイムだけでなく時短勤務も可能な事業所が多いので結婚、出産、介護といった生活環境の変化に応じてプライベートと仕事を両立させやすいと言えます。
看護師のキャリア形成で大切なことは、実際に経験できる体験を大切にして、それを身につけていく事と、
ご自身のライフステージに応じて、今の自分にとってベストか環境はどこでそれを実現できる場所はどこなのかを見直していく事だと思います。