看護記録ソフト導入には、とてもコストもかかりますし、使い慣れるまでに時間を要します。
実際使い始めて、「このソフト使いにくい」ではもったいないですよね。

私は、訪問看護ステーション開設から2~3年くらいは電子カルテの必要がないと思っています。

それは、以下のような理由があるからです。

利用者が少ないうちは、十分に紙カルテでの情報共有ができる

50人~100人規模で利用者さんを抱えている場合には、
紙カルテですとカルテの置き場所に困ったり、電子カルテで情報収集するならば、パソコンやタブレットなどで情報を収集できるところを、紙カルテだと訪問する人数分のカルテを取り出して、情報を収集しなくてはいけません。

それであれば、電子カルテの方が効率も良く、情報も統一されやすいと考えます。
しかし、開設当初は、利用者さんの人数も少ないため、カルテを見なくても、スタッフの口頭の情報交換でも十分情報共有できると思います。

紙カルテの方が、効率が良いし記録に割く時間も少なくて済む

電子カルテの場合には、訪問先ではパソコンを持ち出すことはできないので、当然のことながら、訪問先では看護記録を書くことができず、メモ書きなどをして、事業所に戻ってきてから、電子カルテを開いて看護記録を打ち込まなければなりません。
たくさんの訪問件数を回る場合には、当然記録を書く時間のために残業となってしまう可能性が高くなってきます。

しかし、紙カルテならば、紙1枚持ち出すことで事は済むため、訪問先でもケアをしながら記録書いたりすれば、事業所に戻ってきて記録する手間も省けます。

また、パソコンに慣れている看護師ならば、パソコンでの記録でも苦にはならないと考えますが、訪問看護で働く看護師は比較的年齢層が高い方が働いている場合が多いため、紙カルテの方が楽だと考えている方も多いと思います。

理想の看護記録ソフトを導入できるタイミングとは?

看護記録ソフトは様々な会社から出されており、使い勝手も事業所によって違うと思います。
始めから、看護記録ソフトを導入して、使いにくいものを導入してしまうと、せっかくコストをかけて導入したものが無駄になってしまいます。

私が考える理想は、2~3年運営したのちに、働くスタッフと相談しながら、どのようなツールがあると便利かなど検討したうえで導入することが一番良いと考えます。

例えば、夜間の緊急連絡が多い事業所ならば、タブレットで情報収集ができるシステムを導入するとか、褥瘡や創傷管理をしっかりとやっていきたいと考えているならば、写真などが取り込みやすいソフトを導入するなど事業所に合ったものをセレクトできるからです。

一番良くない電子カルテの導入事例

一番良くない例が、紙カルテと電子カルテを両方使用することだと思います。
両方を使用してしまうと、情報が統一されない恐れがあります。

私もこういった事業所で働いた経験がありますが、情報が散乱してしまい、紙カルテに書いてあるのか、電子カルテに書いてあるのかわからなくなってしまい、結果的に利用者さんに迷惑をかけたことが何度かありました。

1つで統一できる看護記録ソフトが導入できれば、このような事も少なくなるのではと私は考えます。

以上が、訪問看護ステーション開設から看護記録ソフトは必要がない理由になります。

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