
今回は、訪問看護ステーションに転職した作業療法士の方に転職アンケートに回答をしてもらいました。
訪問看護に興味なるある人等の参考になると嬉しいです。
訪問看護に興味を持った理由・転職後のイメージギャップ
私が訪問リハビリに興味を持ったのは、新卒で総合病院に入職してから5年程経った頃でした。
主に急性期リハビリを行い、自宅へと退院される患者様を見送る中で、在宅復帰後の患者様の生活を見たいという思いが強くなりました。
病院ではできていた動作なども、退院後に自宅ではできていないことを、ケアマネージャーを通して知ることも多く、実際に生活している場で、リハビリをすることの重要性を感じたことがきっかけとなりました。
訪問看護ステーションに転職後、実際の生活の場でリハビリを行うことは、やはり重要であると感じます。
家屋環境を調整する場合なども実際に動作を確認でき、利用者様にとって、より安全に在宅で暮らすことにつながっているように思います。
しかし訪問リハビリに携わる中で、働く前とはイメージが異なる部分もあります。
それは、在宅で暮らしている利用者様は比較的病状が落ち着いている方が多く、維持期として捉えていたことです。
しかし実際に訪問していると、脱水症状を引き起こしていたり、肺炎と気付かずに苦しそうにしている等の場面に遭遇することが少なからずあります。
そのため、利用者様の変調にいち早く気付く、フィジカルアセスメント能力が欠かせません。維持期のリハビリについてのみではなく、急性期リハビリの知識も重要であると感じます。
訪問看護ステーションと病院との仕事の違い
訪問看護ステーションと病院において、リハビリの内容としては大きく変わることはありません。
病院によっては、1日に何人もの患者様のリハビリを行うことがあると思いますが、訪問リハビリは1日に約4~6件であり、また40~60分の訪問時間をとれるため、じっくりと利用者様と関わることができます。
しかし、基本的に単独訪問となるため、利用者様の状態に合わせたリハビリを実施することが重要となり、状態によっては適切な処置や対応の判断を問われます。
またケアマネージャーをはじめ、往診医や看護師、薬剤師、介護士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、他職種が多く利用者様に関わります。
病院と違い、これらのスタッフはそれぞれ別の事業所から訪問するため、連携をこまめに取る必要があります。
更に自宅でリハビリを行うため、ご家族様と密に関わることも訪問リハビリの特色と言えます。ご家族様の困り事や介護負担感などを伺いながら、解決策を見出していくことも仕事の1つとなります。
訪問看護ステーションでの作業療法士のキャリアパス
各ステーションによりキャリアパスは異なります。全体として共通しているのは、まずは在宅医療現場での実務経験が3年程度必要であるということです。
それからステーションの管理者を務めたり、若年層の教育、社内外での講習を行うなど、通常業務に加えて教育的視点で働くこともできます。
あるステーションでは、マーケティングや新プロジェクトの立ち上げに関わることもできるとのことで、働く会社により作業療法士のキャリアパスは多種多様であるため、自分がどの方向に進みたいのかをよく考えることが大切です。
訪問看護ステーションでの作業療法士の給与体系
これも各ステーションで異なります。常勤であれば大きくわけて年俸制、固定給にインセンティブが加算される体系があります。
前者は、就職面接時にこれまでの経験などを踏まえて提示される場合が多いです。
条件交渉が可能なステーションもあります。
また月収が年収÷12となるため、基本的に賞与はありませんが、業績によって賞与が発生するところもあります。
後者では、月の訪問件数が大体70~80件を超えたところから、訪問1件につき3000円~4000円のインセンティブが加算されるところが多いようです。
賞与については、ステーションにより有無が変わってきます。
非常勤であれば、訪問した件数によって給与が決定する場合もあれば、時給換算のステーションもあります。
件数では1件につき3000~4000円、時給では1時間1500~2500円が相場となります。
訪問看護ステーションでのワークライフバランス
訪問看護ステーションは、病院勤務と比較して残業が少ない傾向にあります。
そのため、家庭をもつ方は家事や育児と両立しやすい勤務体系と言えます。
また、土日祝日を休日としているステーションが多いため、予定が立てやすいメリットもあります。しかし、ステーションによってはシフト制のところもあります。
訪問看護ステーションにお勧めしたい人のタイプ
利用者様とじっくり関わりたい方、生活の場での援助をしたいと思っている方、福祉用具や家屋環境の調整が好きな方は、訪問看護ステーションでの仕事でやりがいを感じることができるのではないかと思います。
また、様々な人とコミュニケーションをとることが好きであったり、得意な方は在宅医療の場で活躍できることと思います。
まとめ
訪問看護ステーションでの仕事は、在宅で働きたい方にとってはやりがいの持てる仕事であり、またワークライフバランスも良く、作業療法士としての働き方も多種多様です。
今現在、訪問看護の仕事をしたいと考えている方は参考にしてみて下さいね。