
訪問看護をやっていると、つくづく色々な人・家庭があるなぁと感じます。
十人十色とはよく言ったもので、ほんとにそれぞれの個性があります。
訪問看護では日常生活援助や服薬管理、状態観察、リハビリなどを行います。
高齢者が多いため老々介護されているご家庭も多いです。
認知症の奥様の介護を行っているご夫婦の家庭、夫婦ともにうつ病、高齢者の単身生活と様々です。
今回は訪問看護で特徴的だった家族の状況と、そのような家族に対して訪問看護師が取るべきコミュニケーションの方法をご紹介します。
家族エピソード
高齢者家族で奥様が認知症
80台後半のご夫婦は奥様が認知症のため、ご主人が介護を行っています。
ご主人は血圧が高めですが、他は至って健康であり介護にも協力的です。
結婚されたお子様がいらっしゃいますが、すでに別の地域に住んでいるため交流は少ないようです。
こうしたご家庭の場合、ご主人が主介護者であるためご主人の健康状態の把握も必要です。
万が一、ご主人が倒れてしまった場合奥様は施設入所となってしまいます。
金銭的な理由からできるだけ自宅にいたいと願うご夫婦なので、奥様の訪問看護での介入となっていますが、会話中にご主人の活気や食欲、体調不良の有無なども観察します。
また、必要時VS測定も行ったりもします。
ご夫婦ともにうつ病
とある、ご夫婦はともにうつ病です。理解力も乏しく内服管理も全くできていません。
食事もコンビニのおにぎりやカップラーメンがメインであり、時々牛乳を飲むくらいです。そんな栄養状態では体力も気力も落ちてしまいます。
少しでも栄養指導や内服管理を行うため、家族単位での情報をケアマネジャーさんにも伝えていきます。
担当者会議などで利用できるサービスや介入の仕方、方向性を確認しあったりもします。
高齢者夫婦の訪問看護の関わり方・コミュニケーションの取り方
訪問看護により生活の立て直しを試み、利用者さんやご家族が安心して生活できるようにしていくのも大切な関わりだと感じています。
また生活指導や状態観察だけではなく、気分転換になるように介入するのも大切です。時には看護師としての関わりではなく、友人のように接することもあります。
ご夫婦の生活史をうかがって、自分たち夫婦の生活のアドバイスをもらったりもします。
疾患があっても人生の大先輩であることには変わりはないです。
お話しはとても参考になります。長年夫婦をやっていくためのコツや子育ての事、そして私が知りうることができない、生きてきた時代を知るのはとても勉強になります。
大切な生活のリズムを整え、活気づけ
こうした関わりがもたらすものは生活のリズムであったり、人が来ることで事前に入浴をしておいたり、清掃を行ったりと良い意味での緊張感があります。
楽しみにされている利用者さんも多いです。高齢になり疾患があることによって生活に制限がかかる方が多い中、訪問により生活の活気が生まれてくれるのはとても嬉しいことだと感じています。