
誰だって、自分の身なりというのはいつもきれいにしておきたいですよね。
特に若い時にはおしゃれで時代の最先端を走っていたという女性の利用者さんも少なくありません。
認知症で自分の身なりに気を配ることが出来なくなっても、そんな利用者さんを思い家族がいつまでもきれいでいてほしいと、常に身だしなみに気を付けてくれるところもあるのです。
ただ疾患があったり、介護が必要な段階になると、なかなか外出して美容院や理容院に行くということは難しくなってきます。
もちろん美容師や理容師も在宅訪問して髪の毛をカットしてくるところもあります。
利用者さんが、まだ介助で移動できる段階であれば、美容院で送迎をしてくれるところも!
ただし、昔からのなじみがないと、なかなかそのようなサービスも利用することが出来ません。
またADLが低下し、寝たきりになってしまうと、髪の毛のカットをするのは更に困難なものとなります。
なんとか家族でカットまではできても洗髪まではできなくて大変なことになってしまう場合も。
家庭環境によって身だしなみを整える、髪の毛を切るという意識は異なりますが、独居である、
もしくはキーパーソンは息子しかいないという場合、また寝たきりになるともう髪の毛に気を配ることもないんじゃない?と髪の毛を切るという意識もない場合もあります。
そこで私たちが髪の毛のカットをすることもあるのです。
もちろん私たちは髪を切ることにおいて研修を受けたわけでもありません。
独学でみんなカットをしていくのですが、訪問看護ステーションでは、髪の毛をカットする時に必要なケープやバリカン、ハサミやブラシといったものをすべて準備していることが多いです。
またベット上に髪の毛をばらまいたりしないように、髪の毛を吸い込みながらカット出来るバリカンを使用することもあるほど。
訪問看護では、そのあとに洗髪というケアもすぐに行うことが出来るので利用者さんに喜ばれることが多いです。
髪の毛というのは生きていれば伸びてくるもの。ただ髪の毛は切らなくても死なないし、身だしなみを整えるという中では優先順位が低いのです。
ただカットしたときの爽快感や満足感はとても高いので、私たちは訪問看護師として髪の毛をカットするということには注意を払って行っています。
訪問看護で髪を切ることが出来るとわかると、お正月前やお盆前、またお彼岸前には髪の毛を切ってほしいと利用者から言われることもあるほど。私たちは専門的な技術はなくても、日々腕を磨いています。
コロナが騒がれていて、私たちも利用者さんたちもなんだか落ち着かない日々を過ごしています。
早く終息に向かうことを願っています…。体調管理にはくれぐれもご自愛ください。