訪問看護ステーションでの全体ミーティング

訪問看護のサービス導入をケアマネから依頼される場合には、事前に住宅環境などを調査していたり、住宅改修などで介護制度を利用したことがあるという場合もあり、ある程度の基本的な情報をあらかじめ提供されることが多いです。

しかし医師や退院調整看護師から依頼される場合、またケアマネがまだ十分にかかわっていない場合、自分から訪問看護を探しあてて依頼してくる場合などは、細かい情報までわからないこともよくあります。

そんなときサービスの導入前に、利用者さんの自宅に初めて訪問してわかった住宅環境などにおどろくこともしばしばです。

ただし、その家庭にはその家庭のルールがあるので、私たちはそのルールについてまず情報を得ることも大切な仕事の一つです。
またそのルールは、時にその家庭の経済状況をも反映している場合があるので、大きなトラブルにならないように細心の注意を払うことが重要と考えています。

そんなルールで驚いたものをご紹介します。

オムツを捨てる時には許可をとる

オムツといってもいろいろなタイプがありますが、尿取りパット以外のオムツは捨てる場合には許可を必ずとるというお宅がありました。

私たちはご自宅にあるオムツを決して無駄には使用しません。
なぜならそれは利用者様の大切な私物でもあるからです。

しかしやはり汚れていたら、それは衛生上よくありませんし、皮膚トラブルの原因にもなるため交換させてもらいます。そこで、尿取りパットの下に使用しているフラットタイプやテープ式オムツの場合、汚れていても必ず許可を取らなくてはいけなかったのです。なぜなら、汚れていない部分を切り取って再利用するため。

私たちも少ししか汚れていない場合は、もちろんその部分を切り取って廃棄し、残りの部分は次回の陰部洗浄などに使用するということもあります。しかしご家庭のルールによっては、10cmでも切り取ってのけておくというところもあるのです。

オムツというのは中にポリマーが入っています。
もしも切り取ったら、その部分からポリマーが出てきてしまうので、本当に少ない切れ端では逆に大変だと思うのですが、そこはやはり目をつぶって、ご家族の言うとおりにすることがほとんどです。

ただし、このような状況がある背景に、必ず理由もあると考えています。

例えば、経済的な理由で入院中にたくさんおむつ代がかかってしまったから、在宅ではもっと節約して使ってほしいとか、簡単にオムツを簡単に買いに行くことが出来ないから、大切に使ってほしいといったことです。

私たちは、訪問するとその家庭それぞれのルールに驚くこともありますが、利用者のことも家族のことも考えつつケアを実施していくのは、信頼関係を作って支えていくためには重要だと思っています。