
訪問看護師は、病院やクリニックで働いたことがある看護師にとって、決して身近なものではなく、転職先の選択肢に入れたとしても不安が大きいかもしれません。
私も子育てをしていて少し臨床から離れていた身でまず復帰を考えたとき、病院やクリニックの看護師の働き方はすぐに予想することができました。
でも、未知の世界である訪問看護師は、全くイメージすることができませんでした。
しかし私は、訪問看護師になるきっかけを得ることができたのです。それが職場見学という方法でした。職場見学をすることで、訪問看護師の現状、そして不安を少し解消することができたのです。
そこで職場見学をするメリットをここでは紹介していきたいと思います。そしてこれから訪問看護師になろうという人は、気になる求人にコンタクトを取り、見学ができるかどうかをチェックするのがおすすめです。
職場見学をして訪問看護師を知る
私は病棟看護師になるつもりで面接に行った病院で、人材不足だからといって訪問看護ステーションの勤務をすすめられました。病院側の理由としては、訪問看護師は日勤のみで生活リズムを作りやすく子育て中の人は働きやすいという理由でした。
しかし私はこれまで病棟看護師の経験はあったのですが、訪問看護師は未経験だったので、面接ですすめられてもすぐに返事をすることはできませんでした。
そこで「まずは職場見学をしてみない?」という今の所長の誘いがあったのです。
私服のジャージで向かった職場見学は朝の申し送りから始まりました。
そして朝の訪問に同行し、在宅での看護の実際を目にすることができたのです。これを見て、もしかすると私でもできるかもしれないと思いました。
一番印象に残ったのは、看護師みんな楽しそうに働いている姿が印象的でした。また利用者さんが楽しみに訪問看護師が来るのを待っている様子なども見て、私はここで働こうという決心をしたのです。
職場見学はきれいなところだけしか見れない場合もある
職場見学をする場合、実際在宅利用者さんの同意が得られたところしか行けず、所長も行くところを事前に選定してくれているので、限られた自宅しか見ることはできません。
もしかすると、訪問看護師の受け入れのいいところ、関係性が良いところ、きれいなところなど良いところしか見ることがないかもしれません。
しかし所長は口頭でそういうところばかりではないことをしっかり説明してくれました。
例えばごみ屋敷、またクレームが出る家など。
しかしながら、どれも経験豊富な所長の話なので、時には面白おかしく、また苦労話としてとても役立つ話ばかりでした。
私はその経験も聞きながら心理的に嫌だと思うことなく、そういう家もあるんだな、大変だなと思うくらいでもっと実際の在宅を知りたいと思ったのです。
実際に就職してみて感じたことは、やっぱり職場見学で行った家は一例にすぎず、もっと想像以上の家ばかりだったということです。室内に入るのも勇気がいるお宅もありました。それでも今は、職場見学をしたことやその時に所長の話を聞くことができたことは本当に良かったと考えています。
また訪問看護というと、利用者の自宅に伺うときには車などで移動するのが必須。その移動時間に先輩看護師から、いろいろな訪問看護に関する情報、家庭と仕事の両立の苦労話などを聞くことができたのはとても良かったと考えています。
まさに就職前の職場見学というのは、求人情報だけでは得ることのできなかった情報をたくさん知ることができた経験のひとつでした。
これが後押しとなって私は訪問看護師になることを決めたのですが、もしも転職を考えている人は、面接と職場見学も一緒にできるかどうか確認をしておいたほうがいいでしょう。
また想像するばかりでは不安も大きいですが、実際に在宅看護の実際を見ると不安の解消にもつながります。