
訪問看護を利用して療養している利用者様を、支えているのは家族です。
しかしながら、看護・介護をしている家族にもそれぞれの生活があります。
仕事、子育てなど、家族の背景も様々です。
その中で、介護や医療依存度か高い家族が退院するとなった時に
療養型の病院や施設へ入所する選択肢もありますが
「家族の希望に沿いたい」という気持ちで
看護・介護をしていく事を決意し在宅へ迎える場合もあります。
導入できる社会資源を利用しながら
看護・介護される利用者様も、する側になるご家族様も
不安がなく、気持ちよく生活するために
環境を整えていくのが訪問看護師の役割でもあります。
利用者様とご家族にとって在宅での生活の理想は
利用者様に必要な介護を受け入れて
なおかつ、安心して御家族らしい生活を
送っていく事だと思います。
365日、24時間を療養している家族のために生活するというのは
どんなに家族を大切に思っている方でも時には心身ともに疲労を感じるという事はあります。
在宅に戻ってみると、想像以上に介護が大変だったり
認知症が進む場合や、残存機能が低下していく
という場合もあります。
利用者様の状態は少しずつですが変わっていくとともに
御家族の疲労度や思いも変化していきます。
介護を負担に思ってしまった時など
「家族に対して申し訳ない」と
罪悪感を感じてしまい
日々の努力を否定してしまう家族もいます。
そんな時に、日々の介護疲れを労い休息を取ってもいいという事をお伝えします。
負担が軽減できるようにショートステイなどの
宿泊ができる介護サービスの利用を提案する事もあります。
他にも、御家族が介護に主体的に取り組んでいる事や
介護のために工夫している事を認め
励ましの言葉を伝えることや
介護状況を確認し、看護技術の共有や病状をどう考えれば良いかなど
アドバイスをして不安を取り除いていけるようなサポートもします。
さらに、他職種が関わるチームで利用者様と家族を支援しているので、
ご家族にとって介護を含めた生活の再構築のために、話し合う機会を設け
利用者様と御家族の希望を再確認していくことも重要な仕事になっていきます。
近年は、家族が遠方に住んでいるため、独居で生活している高齢者も増えています。
高齢の両親を心配しているというケースもあり御家族とのコンタクトをとり
早めに地域のサービスや社会資源の導入を促していく必要があります。
また、小児の利用者の場合、ご両親が他の御兄弟の子育てと並行して
在宅看護・介護をしている場合もあります。
他の子供のための時間も確保したいけど
24時間で看護・介護が必要な子供を「見放してしまった」というような気持ちを
感じてしまうこともあります。
そういう時、御家族の思いをまず傾聴し介護をしながらどんな生活をしていきたいのかという
意向を伺い、出来るだけ希望に沿えるようにチームで出来る支援内容を提案していきます。
様々な家族の形があるからこそ、
そういう方々にとって信頼して相談できる身近な存在として
看護師や医療従事者がいることをお伝えし安心して在宅看護・介護をしながら
家族らしい生活を送っていい事送るための支援体制を整えていく事が出来る事を
伝えていく必要があります。