
先日訪問看護師が薬の入ったスープを飲まされてわいせつな行為を受けたという事件がありましたね。
この事件は、ある意味私たちの危機管理を問われる大きなニュースになったと思います。
このニュースを受けて、私たちが訪問時どんな声をかけられているかを振り返ってみました。
利用者様からの提供物から身を守る
お茶を飲みなさい、自宅で作ったものだからこれを食べてみて、ということはよくあります。
しかしながら、基本的に利用者宅では何も口にしないようにしています。
なぜなら、身を守るということが大きな理由です。
利用者にしたら、何で食べてくれないのか?いいじゃないか少しくらい…と思うでしょう。
またいつも訪問している利用者なら信頼関係もできているので、大丈夫ではないかと思われることがよくあります。
しかしながら、信頼関係が出来ているからこそ、相手の気持ちを考えながらお断りすることもできるのです。
身を守るというのは、私たちにとって重要な仕事の一つです。
それは決して体に危害を加えられるということだけではありません。
衛生的な観点からも同様のことがいえます。
利用者宅は、決して衛生的という住居に住んでいないところも多々あります。
また保管方法に問題がある場合も。食中毒や胃腸炎を避けるという意味でも私たちは口にしないようにしているのです。
しかしやはり現実的には、きれいごとだけではありません。
実際はお茶がでたり、何かをもらってしまうことだってあります。
全く口をつけないのも悪いので、ご家庭の状況を見ながらそのお茶をいただく、もしくは口をつけるだけにするという方法で対応しています。
私の訪問看護での危機管理対策
マイボトルを持参する
以前に私が訪問看護師になったばかりの時に研修にいったことがあります。
その講義では、やはりお茶をいただくということは決して珍しいことではないということでした。
しかし訪問看護は、サービスを提供するために訪問しているのであり、そこで利用者がお茶を出す必要はないということをあらかじめ説明し、理解を得ておくことが重要です。
またどうしてもお茶を出してくれるところに対応するには、マイボトルを持参するとよいと指導を受けました。
利用者さん、家族とコミュニケーションをとるのに一緒にお茶を飲む時間というのも必要な場合もあります。
利用者さんは自分で入れたお茶を飲み、私たちはマイボトルで持参したお茶を飲むのです。
こうすると一緒にお茶を飲むという時間は共有できますし、利用者さんへの負担はありません。
私たちが持参したサンプルを飲んでもらう
もう一つの方法は、私たちが持参したサンプルを飲んでもらうという方法です。
訪問看護をしていると、さまざまな飲み物のサンプルをもらうことがあります。
そのサンプルを試してもらうために利用者さんのお宅に持参することもあるのです。
お茶を飲む代わりに、そのサンプルを一緒に飲んで感想を聞いたりすることもあります。
仕事の上で注意するのは、コミュニケーションの取り方
仕事の上で、私たちが気を付けていることがあります。
それはコミュニケーションの取り方です。
やはり全部処置が終了し、ゆっくりする時間があるとお茶を出されることもあります。
そのため、聞いておかなければいけない情報や、必要なコミュニケーションは処置を始める前にしておき、処置や記録が終わったら、ご家族に報告をして速やかに退室するということが重要だと思います。
私たちは自宅という場所に訪問します。
信頼していなければ訪問をすることはできませんが、いつも危機管理について意識しておくことが重要であると感じています。