訪問看護ステーションでの全体ミーティング

これは私が体験した訪問看護ステーションで営業を受け入れた側の話です。

私は訪問看護ステーションで勤務していますが、これまで訪問看護で伺ったお宅で訪問リハビリの理学療法士に出会うことが何度かありました。
また研修でも訪問リハビリの理学療法士も積極的に参加されるので、出会ったことはありました。ただ、実際にはどんな風な仕組みで勤務をされているのかといった具体的なことは知る機会がありませんでした。

訪問看護でも私たちがリハビリをすることもありますが、理学療法士の専門的な施術を見ており、特に呼吸器リハビリに関してはすごいなあと思っていました。

それが最近、ある訪問リハビリが訪問看護ステーションになるということで営業に来られたのです。もちろんノウハウはあったうえでの訪問看護ステーションの造設ではありましたが、なんと研修の申し出までありました。

私の所属するステーションの所長は、
「同じ地域を支えていく仲間として訪問看護ステーションが増えることはうれしい。
地域によっては訪問看護の縄張りを意識する人もいるけれど、そもそも利用者が訪問看護を選ぶのだから、選ばれるように常に意識してプロ集団として使命を果たすことが最重要」というポリシーの持ち主でした。そこでその研修の提案を受け入れることになったのです。

相手先は訪問リハビリの時には看護師が所属せず、リハビリ職だけで機能していたところです。
もちろん利用者の状況を知り、それに対して適切なリハビリを提供していたはずですが、今度は訪問看護ステーションになると、看護師が所属することにより訪問する利用者の拡大、また利用者が持つ対象疾患も増加するのは当然です。
その個別性を重視したリハビリの提供が充実するはずです。そのためには同じ職種内で情報共有や連携を図ることが必須となりますし、指示を出す医師との連携も重要です。

そこで当訪問看護ステーションではどのように連携をとっているかということを一つ一つを所長は指導していったのです。

訪問看護というのは、利用者獲得のために営業をすることが重要だということはわかっています。しかし多くの場合は、病院や地域連携室、居宅介護支援事業所などに出向いて行くことが多いはずです。このように訪問リハビリが訪問看護ステーションに営業のあいさつに来るということは少ないでしょう。
また協力し合って勉強させてあげるということも少ないと思います。

しかし同業者同士営業をしてお互いに交流を深めていれば、思わぬところからの紹介で利用者を獲得することもあるのです。

例えば、訪問の依頼があった時距離的な問題がある場合、自分のところでは訪問することは難しいけれど、ほかの訪問看護ステーションを紹介してあげる、その橋渡しをしてあげることもあります。
またリハビリをしたいという要望が強ければ、リハビリに強い訪問看護を紹介することもあります。
そのため、訪問看護ステーション同士営業をしあう、ということは利用者の獲得にも有効的なのです。

訪問看護ステーションによっていろいろな特色があります。
☑介護保険を利用してサービスの提供を主としているところ
☑呼吸器や神経難病、末期がんなど医療保険を利用してサービスを提供することが多いところ
☑在宅看取りを積極的に受け入れるところ
☑リハビリに力を入れているところ

など。それぞれ提供する看護も大きく異なります。またそこで勤務する訪問看護師の能力の違いもあるでしょう。

今回営業を通して研修を受け入れるという経験を当訪問看護ステーションではしましたが、このような機会はあまりありませんし、改めて訪問看護について考える上でお互いに良い刺激となったので、営業を受けるということはとても良い機会だったと思います。