訪問看護の確認項目

訪問看護をやってみたいけど不安な看護師さんへ

訪問看護の需要が増えているみたいで気になる。訪問看護に転職してみたいけど、向いているか分からないので不安。

こんな現場の看護師さんの声を耳にします。

この記事では、現役の訪問看護師さんが、訪問看護に向いている看護師さん・向かない看護師さんの特徴を解説していきます!

ぜひ最後までお付き合いください。

特徴1:移動が苦にならない。他人の家にお邪魔することに抵抗を感じないこと

訪問看護師として働くにはまず、他人の家にお邪魔することに抵抗を感じないことが絶対条件です。

訪問看護で伺うお宅の環境は様々で、必ずしも掃除や整理整頓が行き届いているとは限りません。ペットがいることもあるので、潔癖症の人やアレルギーの人などは難しい場合があると思います。

私も正直なところ、働き始めてすぐの頃は抵抗を感じることが時々ありました。

働いている内にある程度は慣れるので気にしすぎる必要はありませんが、多少のことは気にならないおおらかな人の方が訪問看護師に向いていると思います。

また、書類作成や記録など、デスクワークもありますが、訪問看護は基本的に、移動しながらのお仕事です。

自転車や車で移動していても駐車場から利用者さん宅まで距離がある場合がありますし、リハビリとして屋外での歩行練習などを行うこともあります。

私自身、「もう桜が咲き始めてるな」「そろそろ紅葉がキレイに見られるわ」と、訪問看護の移動中に季節の移り変わりを感じながら仕事を楽しんでいます。

基本的に一人で移動しますので、よい気分転換になっています。

動く=体力ではありませんので、ご安心ください。移動は電動自転車や車がほとんどです。

動くことが好きであれば、特に体力は必要ありません。

でも、雨の日や真夏・真冬でも外に行かなければならないので、アクティブな人でないと辛く感じることがあるかもしれません。

特徴2:少人数チームでコミュニケーションをとれる看護師さん

どんな職場で働いていても看護師にとってコミュニケーションは大切ですが、中でも訪問看護師は、特にコミュニケーションの技術が必要とされる仕事です。

訪問看護師は原則一人で、利用者さんの居宅(自宅または施設)を訪問します。
利用者さんと一対一で接する時間が長く、ご家族ともお話しする機会も多いです。

看護師とはいえ赤の他人を家に上げることに抵抗がある利用者さんやご家族も多いので、介入後早期に信頼関係を築くことも必要とされます。

また、利用者さんと一対一なのに、なぜチームのコミュニケーションが大事なの?と不思議に思われるかもしれません。

訪問看護ステーションの規模に寄りますが、大半が常勤看護師5名以下で構成されています。

その5人が、それぞれ移動しながら仕事をすることになります。

メンバーの動きを把握しながら、利用者さんの状態を共有するためには密なコミュニケーションが必要になってきます。

更に往診医師やケアマネージャー、ヘルパーさんなど、他の事業所、他の職種の人とも頻繁にコミュニケーションを取りながら連携していかなければなりません。

このことから、社会人としての対人マナーをきちんと守れる人、人と話すことが得意な人、じっくり腰を据えて人間関係を築くことが好きな人は訪問看護師に向いていると思います。

明るくコミュニケーションをとれる看護師さんは歓迎されます。

特徴3:利用者さんやご家族とより深く関わる看護をしたい看護師さん

訪問看護にご興味がある看護師の中には、

「1人の患者様とじっくりと関わりを持ちたい」と

思っている方が多いのではないかと思います。

病棟勤務中でも、プライマリー看護師として担当患者様を受け持ちます。

しかし、夜勤をしながら、シフト制での勤務だと、

なかなかじっくりと患者様と関わる機会が持てないことも多いと思います。

実際に、担当看護師として自分なりには時間の許す限り関わっていても、

患者様やご家族の方から

「看護師さんがたくさんいるから覚えられなくて・・。」
「マスクをしているからみんな同じ顔に見えて・・。」

という言葉を言われた事もありました。

そのため、担当看護師になっても、患者様にとっては大勢の看護師の1人と同じであり、

「もっと患者様に寄り添って関わりたい」

という思いを、1度は感じた事があるのではないでしょうか?

訪問看護と病院勤務との大きな違いの1つとしても上げられるのですが、

訪問看護を利用している利用者さんやご家族にとっては

同じ看護師であっても「大多数のうちの1人」から

「自宅に訪問してくれる担当看護師」という

特別な存在になります。

これが訪問看護の大きな違いだと思います。

特徴4:在宅看護や退院後の生活に関わってみたい看護師さん

訪問看護も決められて時間ではありますが、利用者さんとご家族と共に

・在宅にいながらも、看護や介護がしやすい環境を一緒に作っていく
・病院や医師との架け橋になる

などの部分を訪問看護師が担っていきます。

利用者さんや家族にとっては、

一緒に看護・介護してくれる1人として、

頼れる大きな存在に変わって行きます。

そのため、「在宅看護や退院後の患者様の生活に関わってみたい」と思っている看護師にとっては

スキルを活かしながら充実感を得られやすいのではと思います。

特徴5:聴く事が大切、利用者さんのお話を聴ける看護師さん

訪問看護は、バイタルサイン測定や状態観察、創処置などの看護技術が必要になってきます。

看護師としての経験はある程度は必要です。

最も大切なことは「利用者さんのお話を聴く事」だと思っています。

病気の事、生活の不安、様々な不満をしっかり聴く。利用者ご本人だけではなく、ご家族のお話も聴く。

信頼関係の第一歩です。看護指導を受け入れてもらうためには、信頼関係が必須です。

病院と同じ感覚で、看護指導を行っても「一方的過ぎる」と反感を買ってしまう事もあります。

利用者さんのお話をしっかり聴ける看護師さんは、訪問看護に向いています。

向かない人の特徴1:自分のやり方にこだわる看護師さん

訪問看護師は自分のやり方にこだわり過ぎないことも重要です。

訪問看護には病院のように統一されたルールはなく、利用者さんそれぞれのやり方があるので、相手に合わせて柔軟な対応をすることを求められます。

臨機応変に工夫して対応することができる人、工夫することにやりがいを感じられる人には訪問看護をおすすめしたいです。

向かない人の特徴2:高いレベルの医療行為や、最新の知識・技術を求めている看護師さん

高いレベルの医療行為や、最新の知識・技術を求めている人はあまり訪問看護には向いていません。

もちろん訪問看護師も自分で研修などに参加して学ぶことはできますが、大きな病院のように最先端の治療に関わる機会はほとんどありません。

逆に言うと、高度な機械を扱うことや難しい医療行為を行うことが苦手という人には、訪問看護はおすすめです。

訪問看護師も点滴などを行うことがありますが、病院ほどの頻度ではありませんし、扱う薬の内容も限られていて、高カロリー輸液や抗生剤がほとんどです。

高いレベルの医療に携わるのはとてもやりがいを感じることですが、その代わりに何か自分なりのやりがいを見出せる人が訪問看護師として長く働いていけるタイプだと思います。

向かない人の特徴3:常に医師や先輩に確認しながら仕事を進めたい看護師さん

同時にたくさんのことをするのが苦手という人にも訪問看護師をおすすめしたいです。

訪問看護は基本的に一対一なので、あちらこちらからナースコールで呼ばれることがありませんし、目の前の利用者さんのケアに集中することができます。

ただし、訪問看護師はその場ですぐ他のスタッフに相談するということが難しいので、状況に応じてしっかりと自分で判断することが求められます。

そのため、常に医師や先輩に確認しながら仕事を進めたいというタイプの人にはあまりおすすめできません。

まとめ

いかがでしたか?
動くことや色々な家を見るのが好き
チームのコミュニケーションが得意、
利用者さんと深くかかわりたい、
在宅看護や退院後の生活に関わってみたい、
話を聴くのが好き、

どれか一つでも当てはまりましたか?

これらの条件はどれも絶対ではなく、働く訪問看護ステーションによっても違う部分があるので、訪問看護に興味がある人は一度チャレンジしてみることをおすすめします。

どんな仕事でもそうだと思いますが、実際にやってみなければ分からないこと、経験して初めて分かるやりがいがあるので、たくさんの人に訪問看護を経験してもらいたいと思います。

ぜひ訪問看護で一緒に働きましょう!

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