訪問看護ステーションでの全体ミーティング

訪問看護ステーションでの訪問リハビリ業務の1つには、医師や看護師、ケアマネージャー、介護士との連絡調整があります。

在宅分野においては、全ての職種が別々の事業所から1人の利用者様の自宅に赴き、サービスを提供する場合が多いです。

そのため、病院や施設とは異なり、事業所を超えた連携が必要となります。その内容を具体的に書いていきます。

医師との連携

はじめに医師と連携をとるのは、訪問リハビリの指示書の依頼です。

各ステーションにより異なりますが、この作業は事業所長などの管理職や、事務職員が請け負うことが多いです。

その際には、利用者様の具体的な状態や、訪問リハビリの目的、リハビリを行うに当たっての禁忌事項などを確認します。

その他には、利用者様のご自宅に訪問した際に、明らかに病状が悪化していたり、怪我を負ったりしている際に医師に指示を仰ぐことがあります。

指示書より悪化した場合など対応例

私が経験した中では、既往歴に間質性肺炎がある利用者様のお宅に訪問した際、呼吸苦が著名であり、サチュレーションを測ると50~60%しかとれないことがありました。

すぐに主治医に連絡し、緊急で往診に来て頂きました。

主治医は間質性肺炎の悪化の可能性を指摘し、その利用者様は救急病院に搬送され、適切な治療を受けることができました。

このように医師の判断を要する場合、迅速に対応することが必要となります。

指示書以外で気になる点がある場合の対応例

またその他にも、例えばここ数週間血圧が高い状態が続いている場合や、食事がとれなくなっている場合、転倒されてから神経症状が出現している場合など、主治医に電話や書面で伝えて指示を仰ぐこともあります。

看護師との連携

訪問看護ステーションからのリハビリの場合、多くは同事業所の看護師と連携をとることが多いです。

まれにサテライトなどでは看護師が他事業所であることもありますが、連携をとることには変わりありません。

看護師と連携をとる内容

看護師との連携は、例えば利用者様のお宅に訪問した際に、今まではなかった場所に水泡や傷ができており、処置が必要と考えられる場合、また褥瘡の治癒具合を知りたいなど、看護師が行う業務の中で確認したいことがある際に連絡をします。

また医師との連携と同様、高血圧や食事摂取不良、睡眠がとれていないことなど、細かな利用者様の状態を伝えることもあります。

同事業所に看護師が在籍し、看護師もその利用者様を担当している場合に特に細かな連携をとります。

看護師が介入していない場合や、他事業所の看護師が介入している場合には、大きな変化点があった際など、必要に応じて連絡をとり合います。

ケアマネージャーとの連携

在宅医療において、ケアマネージャーへの連絡は必須となります。

上記のような医師と看護師に連絡した内容を伝えるのはもちろん、利用者様のご自宅の環境調整を行う場合、また利用者様の心身機能の変化によりサービスに変更が必要と考えられる場合など、必ず連絡する必要があります。

それは、ケアマネージャーはその利用者様の在宅生活をマネジメントする役割があるため、そのような現状や変化点を全て把握しなければならないためです。

その他にも、利用者様の現状報告に加え、ご家族からの要望が聞かれた場合、福祉用具の相談など、その対応を相談することもあります。

介護士との連携

最後に介護士との連携ですが、これも大事な業務の1つです。

介護士と連携をとる項目例

例えば、歩行や排泄・入浴などの生活動作の介助方法縟瘡がある利用者様へのポジショニング方法、更にSTの場合は食事方法や嚥下の状態など、介護士が利用者様のケアをするに当たって必要となる内容を伝えます。

また反対に、介護士からそのようなことを相談される場合もあるため、リハビリの担当者は実際に指導したり、書面で提示することもあります。

多職種とのコミュニケーションのまとめ

このように、一口に訪問リハビリでの他職種との連携といっても、その内容は様々です。

各職種はそれぞれ業務における違いがあるため、まずはそれを把握する必要があります。

また自身の訪問リハビリとしての役割も理解し、その上で全員がチームとして利用者様と関わっていくことが重要です。